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無題

何気ない日常。

昼休みが終わり、

さぁ仕事かあ……な時。


あんな揺れ生まれて初めて体験した。


机の下にもぐった。

長い。

いつまで続くんだ、

机の上の携帯が落ちてきた。

ブラインドのぶつかる音がうるさかった。

忘れられない。

とにかく長かった。

ここでガラスが割れて自分に刺さって死ぬのか、

あっけない人生だったな、などと思っていた。


揺れがおさまり、

みんなが荷物をまとめて避難する準備をしだした。

私は何をしていいのか

わからなかった。


あぁもう帰るのか。


コートを着て、出よう。

あ、鞄。

あ、お菓子、あ、ひざかけ。

手が震えてる。

歩いたら足も震えてる。



非常階段から出て

会社近くの公園へ。


また地震だ。

専門学校がすごく揺れてるのが見えた。

もう悲しくなって

立っていられない。



携帯がつながらない。

母が転んでいたり、棚の下敷きになっているのではないか。

不安はつきない。

とにかく自分からメールを送った。


電車が動いていないことを知り、

徒歩で4時間半ぐらいかけて帰宅。


意外に歩けるものなんだな。

途中で母からメール。

明る過ぎる内容だった。

そうか、これが母か。

無事でよかった。


とにかく歩く。

最寄の駅のひとつ前の駅から一人に。

一気に疲労感。

でもみんなも歩いてる。

暗くてこわい住宅街も

こんなに人が歩いてる。



無事帰宅し、

家族の状況もわかり、安心した。

部屋を見たら、ぐちゃぐちゃ。

あぁ片付けなきゃ、と思ってたところがもう…


やっと落ち着き、テレビを見た。


何なんだ………


あんなことが自分の生きている今この日本で起きていたのか。

何度みても、信じられない。

津波があんなことになるのか。


本当に何度も何度も映像を見た。

津波で町、集落が無くなる。

そんなことがあるのか。



建物の上に船が乗っかっていた。


これからどうなるのか。

いつになったら身元がわかるのか。



一人でも多くの方々の無事を祈っています。